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年間約900万トン流通。そのうち約350万トン天然石膏輸入。3万トン級のばら積み船で輸送されている。水分値は、5〜7%。残りの国内産の石膏は、化学石膏である。陸上輸送ではパイプラインによるスラリー輸送、トラック輸送又は内航船によるばら積み輸送。水分値は約10%。
せっこうは硫酸カルシウム(CaSO4)の化学成分からなる鉱物の総称で、結晶水(H2O)の数によって、次のように区別する。
石膏(二水石膏) CaSO4・H2O
焼石膏(半水石膏) CaSO4・1/2H2O
硬石膏(無水石膏) CaSO4
地下資源として取れる天然石膏のほか、化学的に副生する化学石膏がある。
化学石膏には、肥料工場で燐鉱石から燐酸(燐酸塩)を生産する際に副生する燐酸石膏や火力発電所をはじめ、工場の排煙中の硫黄酸化物(亜硫酸:SO2)を除くため、石灰石粉末や消石灰に反応させて回収、副生した排煙脱硫石膏(排脱石膏)がある。
燐酸石膏は、主に石膏ボード用に使われる。排脱石膏は、主にセメント用に出荷する。なお、銅精錬で発生するSO2ガスは、ほとんどが硫酸(H2SO4)として活用されるが、一部の希薄ガスから石膏を回収する。これを精錬石膏とよぶ。
重晶石(バライト):
TML計測の実績があり、ばら積み輸送されている。特貨規則に新規取り入れられた。過去に事故例があった。BCコードでは付録C(BARYTES)に収録されている。
はたる石(FLUORSPAR):
TML計測の実績があり、ばら積み輸送されている。特貨規則に新規取り入れられた。過去に事故例があったか不明。BCコードでは付録Bに収録されている。
イルメナイトサンド:
浮遊選鉱や磁力選鉱により不純物を取り除いて精鉱にし、ばら積み輸送する。
チタンを含むのでチタン鉱物という。チタン鉄鉱。チタン精鉱。
ネフェリンサイアナイト:
我が国は、年間1,600トン輸入している。(日本貿易月報、1996.12付)現在袋詰コンテナ輸送のみ。
浸出(CEMENTATION):
酸化銅鉱物は酸及びアルカリに溶ける性質があり、通常硫酸浸出後鉄くずでセメンテーションを行い沈澱銅を取る。
セメントカッパー(CEMENT COPPER):
銅塩の水溶液から鉄くず等の沈澱剤を使用して置換析出せしめた粉状の銅をいう。(沈澱銅)以前国内においても存在したらしい。銅精錬沈殿物(COPPER PRECIPITATES:BC)と同一のものと思われる。 昭和48年6月6日付通達 舶査第255号
アルミクリンカー(ALUMI CLINKER):
ボーキサイトよりアルミナを抽出し焼き固めたもの。耐火物の原料として使用される。昭和48年6月6日付で運輸省船舶局長により通達された舶査第255号でTML測定をするよう指導された類似物質に該当するアルミクリンカーは、当時おそらく低品位のものであって、一般船舶にばら積みされていたらしい。 現在においては、流通している物は

 

 

 

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